生前贈与
贈与とは
贈与とは、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって効力を生じる契約(民法549条)です。
贈与自体は、契約により簡単に行うことができますが、それにより課される「贈与税」に気をつけなければなりません。
贈与税について
贈与税とは、個人からの贈与によって財産を取得した者に対して課される税金です。会社など法人から財産をもらったときは贈与税ではなく所得税がかかります。贈与税の課税制度には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり選択をすることができます。
暦年課税
暦年課税は、その年中に贈与を受けた財産の価額から基礎控除額(110万円)を控除して贈与税を計算する制度です。よって、毎年110万円までは課税されることなく財産の移転をすることができます。不動産の贈与では、この控除額を超過するケースが多いので注意が必要です。
相続時精算課税
相続時精算課税制度とは、一定の要件を満たした特定贈与者からの贈与である場合、その贈与財産の価額から特別控除額2500万円を控除できる制度です。特別控除額2500万円は一度に使い切る必要はなく、その残額は翌年以降に繰り越され2500万円に達するまでは課税されません。そして2500万円の特別控除の枠を使い切ると、その特定贈与者からの贈与については一律20%の税金が課税されます。
この制度の適用対象者ですが、贈与者は65歳以上の親、受贈者は贈与者の推定相続人である20歳以上の子(子が亡くなっているときには20歳以上の孫を含む)とされています。(年齢は贈与の年の1月1日現在のもの)。
なお、相続時精算課税を選択すると暦年課税に戻ることはできないので注意を要します。
贈与税の配偶者控除
贈与税の配偶者控除とは、婚姻期間が20年以上の夫婦の間において、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金額の贈与が行われた場合、基礎控除額110万円のほか最高2000万円までの控除をすることができる制度です。